(ベトナムにいる)バイク乗りなら一度はやってみたいと思う、
ハノイ市~ホーチミン市横断ツーリング。
忘備録を兼ね、記憶を頼りに書き連ねていきたいと思います。
マップについて:当時の走行ルートを可能な限り再現してますが異なる箇所もありますのでご了承ください。
期間:2017年1月25日(水曜日)~2017年1月31日(火曜日)
(往路:2017年1月25日~1月27日)
『そうだマクド、行こう。』
ベトナムでは通年1月~2月にテト(旧正月)休みというものが1週間ほどあり、大抵の在住日本人だとこの時期に一時帰国するけれど、現地企業採用という身分だと薄給なのでホイホイ帰国できない。
『ならば休みの間、どこに行こう?』
と考えたとき、ふと、某番組の『原付バイクでベトナム横断』を思い出し、
『(せっかくベトナムにいるんだから)バイクでホーチミン市へ行こう』と決める。
また、2017年1月(当時)マクド(マクドナルド)はホーチミン市に数店舗しかなく、ハノイ市には出店していなかった※ので、
『せっかくなので朝マクドしに、ホーチミン市へ行こう。バイクで』
という壮大な計画のもと、準備を進めていく。
※ハノイ市でのマクドの初出店は2017年12月でした
1日の必須走行距離に一瞬思考停止する
2017年(当時)、一般的なテト休みは
『2017年1月26日(木曜日)~2017年2月1日(水曜日)』
筆者の勤務先では1日早い、2017年1月25日(水曜日)だったが使用するバイクは通勤でも使っているので、休暇明けでも使用しなければならない=当然、往復でのツーリングとなるのでGoogleマップを見つつ、休暇日数とにらめっこしながら1日の走行距離を算出していく。
『さすがにトンボ返りで往復するのはキツい』
『最低でも1日はホーチミン市で朝マクドしたい』
『大体1週間で往復となると……片道3日で約1,800kmを消化しないといけない』
上記の条件から算出した、
1日の走行距離:600km程度
という数値に一瞬 (・o・) となる。
(日本だと東京から岩手県盛岡市~青森県八戸市の中間が大体600kmの距離(らしい))
『目標からしてロマンなので、まぁいいか☆』
楽観的に考えつつ、ウェブサイトで往路と復路のホテル予約もサクサク進めていく。
(往路1日目:ハノイ市~フエ市)
走行距離600kmを稼ぐためには1日のうち半日はバイクで移動しなければならず、また期間中は交通渋滞を考慮してAM4:00前後に起床というスケジュールで行動する。
初日当日。AM4:00に起床し、その30分後にはスタート地点となる、
『例の場所』
ことホテルニッコーハノイ※に到着。
さすがに夜明け前ということで交通量はまばらで、ホテル周辺もほぼ無人。
写真を数枚撮影し、(お約束の)ホテルニッコーハノイからスタート。



なおスタート(ホテルニッコーハノイ)の総走行距離は21,697km。
ここからどのくらい伸びるやら……。
※2025年6月現在ではホテル名が『HOTEL du PARC HANOI(ホテル デュ パルク ハノイ)』に変更となってます
レ・ズアン通りを南下し、アジアハイウェイ(AH)1号へ。
あとはAH1号(QL.1)沿いをひたすら走る、というのが基本ルート。

なお、ベトナムではバイクの排気量問わず高速道路は通行禁止(2025年6月現在/ただし一部例外アリ)なので、これから挑戦する方はご注意を。
バイクを走らせている間に夜が明けたがテトの時期(1月~2月)の北部は例年、一日中曇り空で湿気が多いうえに霧が出ていることも多い。
この日もどんより雲と霧雨が降っている悪天候。
更に途中で一部路面が砂利道になっていて危うく転倒しそうになってしまった。
思ったよりも精神的疲労していたようなので、休憩がてらハノイ市から100km程のニンビン省にある食堂で朝食。
名前はわからないけれど、米麺(ブン)料理をいただく。
味は可もなく不可もなく、いたって普通。

30分ほどまったりし、バイクに跨り今日の目的地であるフエ市を目指す。
走行中、天候は悪くなる一方でハノイ市から350km程のゲアン省へ到着した頃には大雨に変わっていた。
雨宿りついでにコンビンザン(大衆食堂)に立ち寄り昼食休憩。
食事休憩を1時間ほど挟んだおかげで雨足がだいぶ弱まったので、ノンストップでフエ市へ。
大したトラブルもなく、PM19:00頃に今日の宿に到着。

フエ市といえば米麵料理、ブンボーフエ発祥の地。
ということでブンボーフエを求めて彷徨うけれど、テト休み突入していたため休業中のお店ばかりであった。
辛うじて見つけてお店で食べたブンボーフエが、期待するほどではなかったとガッカリ。
(往路2日目:フエ市~カインホア省)
この日もAM4:30にはホテルをチェックアウトしてバイクで移動していた。
しかし途中で、
『パスポートを返してもらう※のを忘れてたッ!!!!』
ということに気がついたのは、ホテルを出発してから1時間以上経過してからだった……。
(道中で勤務先のベトナム人スタッフに泣きつき、復路で立ち寄ってパスポートを受け取る手はずにした)
※2017年(当時)では宿泊する際、パスポート原本をホテルに預ける必要がありました(2025年6月現在ではホテルによりマチマチ(らしい)です)
気を取り直し向かう先は、この日の最難関となるフエ市とダナン市の間にあるハイヴァン峠。
つづら折りのコーナーがこれでもかこれでもかと続き、傾斜もきついので150ccのバイクでは息も絶え絶えという感じで登っていく。


頂上付近では土産屋と喫茶店が軒を連ね、テト休みだというのに観光客でにぎわっているのを横目にさっさと通過する。
1時間ほどでハイヴァン峠を走破したところでお腹の虫も鳴り出したため、ダナン市で朝食。
写真はダナン市名物のミークアン。香草をたっぷり乗せライムと青唐辛子を足すととても美味。

ダナン市(中部)はハノイ市とは打って変わりカンカン照り。
ケガ防止のため手足のプロテクター+グローブ+厚手のライダースジャケット。
ついでにつま先にスチール入りの安全靴という重装備のため、走行してても汗が滝のように流れる。
熱中症対策で1~2時間おきに喫茶店に立ち寄り水分補給をしつつ走行する。
暑いけど天気が良いので『これぞツーリング』という感じでとても楽しい。
……と思っていると、わき道から急にバイクが合流してくる。
慌てて急ブレーキをかけ、事なきを得た。
ホント、ベトナム人は安全確認をしないで合流して(割り込んで)くる。
何事においても確認作業はしないので、これはもはや国民性というべきか。
加えてメインルートであるAH1号は距離が長く、交通量が多いというのもあり路面が荒れていたり、あちこちで工事をしている。
この日走行した道では一部未舗装道路があり、通行区域がわからなくなるというアクシデントにも見舞われた。
その影響で、ニャチャン市(カインホア省)到着はPM20:00を回っていた。
宿泊するホテルには、再度、勤務先のベトナム人スタッフに連絡してパスポートを提示できない旨を通訳してもらう。
この日のホテルはドミトリー(相部屋)形式で、他に白人男性がいた。
英語で軽く話しかけられたが、元々英語は不得意な上にどうにもベトナム語が混ざってしまう。
荷物をほどき夕食を取るため外出。
夕食後、あてもなく周囲を散策中、テト休みで開催している(らしい)謎イベントに出くわす。

疲れもあり散策もそこそこで切り上げ、ホテルへ戻るとすぐに眠りに落ちてしまった。
(往路3日目:カインホア省~ホーチミン市)
AM4:30にホテルをチェックアウトし、ホーチミン市を目指す。
1日目、2日目で距離を稼いだので残り400km程。
上手くいけば日が出ているうちに到着できそう。
ハノイ市では太陽と空が白っぽく見える、とても『晴天』とはいえないような晴天しかお目にかかれないのに対して、南部は抜けるような青空とオレンジ色の太陽という文字通りの、すがすがしい天気。
こんなに澄んだ青空を見たのは久しぶりだとウキウキしていたのは最初のうちだけで、ジリつく太陽の熱でライダースジャケットの内部は茹で上がりそうなくらいの暑さになっていく。
走り始めて1時間程度で暑さに耐えきれなくなり、目についた喫茶店へ避難。

写真にあるベトナムのアイスコーヒーは牛乳ではなく練乳入りなのでかなり甘い。
なお、飲み物を頼むと注文とは別にお茶が付いてくるのもベトナムならでは。
(お店により味が薄い、逆に濃すぎて苦い……などなどアタリハズレも大きい)
喫茶店で15分ほど涼み、再びバイクを走らせる。
途中、コンビンザン(大衆食堂)で昼食休憩を挟みつつ走り続け、PM14:00過ぎにはホーチミン市の入口となるサイゴン橋へ到着。

ホーチミン市に入る道が複雑なため(自動車専用道路はあるけれど、バイクの通行禁止区域が多い)、四苦八苦しながら走り続け、ようやくホテルに到着したころにはPM16:00近くになっていた。
ホテルに荷物を置き、徒歩で散策しつつ夕食をすませる。


ついでにテトでにぎわうタオダン公園をうろつく。
けれど、ぼっちだとあまり楽しめないなぁ……と思いながらホテルに戻り就寝。
ねんがんの まくど に やってきたぞ!!
起床し早速、今回のツーリングの目的である『朝マクド』へ。

写真にある、やや右側のメニューに記載がある『CƠM』はご飯。
マクドだけではなく、ロッテリアやケンタッキーなどベトナムのファーストフード店にはご飯物のメニューは必ずある。

久々に食べたパンケーキは程よい甘さ。
月並みなセリフだけれども、
『こういうのでいいんだよ』
満足しマクドを出て、腹ごなしでアチコチ散策。
ホーチミン市は観光都市とはいえ、やはりテト期間中ということで営業している店は少ない。
それならばと、路線バスと徒歩で次に向かうのはイオンモールタンフーセラドン。

お店の名前は失念してしまったけれど、ここの抹茶パフェは絶品だった。

ハノイ市ではうどん屋は人気がないらしく、やっと新しい店舗ができても数か月で閉店してしまうといううどん不毛の地……だったので、身体がうどんを欲していた。
というワケで、2017年(当時)ではホーチミン市にしかなかった『丸亀うどん』で昼食を取ることに。
釜揚げうどんを注文したが、出てきた物体はフォーの出来損ないみたいに感じた。
開店当初(2014年2月)に訪問した際、日本人スタッフが監修していた時はそこそこ良かったんだが、ベトナム人スタッフだけで作っている(と思われる)ので魔改造された釜揚げうどんは麺のコシがなくテロテロ。
温度もぬるい。
コレジャナイ……。
再びイオンモール内を散策をし、バスを乗り継いでホテルに戻る。
一休みすると夕刻過ぎだったので、近場のコンビンザンで夕飯。
これまた微妙な味の食事を口にしながら、やはりテト休みは良店は少ない……としみじみ感じた。